Written By: トーノZERO
「完結編である」
「フィーバー・ヤマト・サイトのをやっと見たのね」
「うむ。このあとはまだ復活編があるが、これはBDを持っているので見なくてもいいと割り切った。なので、これが最後だ」
「これにて完結だね」
「詰め込みすぎで長すぎで舌足らず」
「おいおい」
「やる気が空回りしている映画という感じだ。これほど長くしてもずっと足りない。印象が散漫になり、個々のシーンの突っ込みが足りなくなっている」
「永遠にと同じような感想だよ」
「それがヤマトというフネに乗り合わせた者の宿命なんだ」
「切った方がいいシーンはけっこう多い。足した方がいいシーンもけっこうあるけど。たとえば、ルガール・ド・ザールが2回敗北するのはあまり意味が無い。1回で十分。ディンギルの少年をもっと軸に据えて見所にしないと出演させた存在意義が見えてこない」
「そうか」
「島の死もあまり意味がない。切りどころ」
「うーむ」
「逆にデスラーはもっと出番を増やさないと登場が唐突すぎ」
「昔、話は神話になると終わるという説を書いた」
「神々の領域に行くと物語が成立しなくなり、終わってしまうんだね」
「ヤマトも完結編でまるで神々の世界での戦いになった。宇宙じゃない。神々の領域なんだよ。あそこは。宇宙なのに雲が漂っていてさ」
「なるほど」
「しかも、神殿に馬」
「わははは。ウマいことを言うね」
「相変わらず突っ込みどころは多い」
「そこは長所?」
「今となってはそう思えるが……」
「今回気づいたスタッフこの人」
「山内重保って?」
「この2本は映画館で見たから監督名が印象に残っている」
「えー」
「あと、リメイク版のドクタースランプの監督」
「これもまた未来の監督クラスじゃないか」
「特に重要なのはカエル石のひみつだな」
「どう重要なの?」
「おジャ魔女どれみといのは、集団魔女もので、毎回クライマックスで集合魔法のマジカルステージをやって終わるのがお約束だ。しかし、それをやらなかった。ただの女の子の話であった。かなりパターン破りの人だ」
「ドクタースランプでもかなり大胆な方針変更をやったしな。アラレちゃんは痛みが分からないロボットだったがリメイクで痛みが分かるロボットに変化した」
「えーっ」
「戦いの無いエピソードを作ってしまうヤマトの遺伝子をどこかで受け継いだのかな?」
「なぜ遺影の徳川機関長が喋れるのか」
「なぜ?」
「普通ならそのためにベテラン声優を1人呼ぶのはきつい」
「そうだね」
「でもさ。佐渡先生が出演する以上、あえて呼ばなくてもそこにいたんだよ」
「ぎゃふん」
「完結編でコスモゼロが未帰還ということはなかった。しかし、古代が離艦するときは
コスモゼロではない搭載艇で移動した。これは何を意味するのか?」
「何を意味するの?」
「古代のコスモゼロは、ヤマトが自沈した時点で失われたんだ」
「じゃあ、復活編のは?」
「だから、コスモゼロ21という別機体なんだ。古代が乗っていた52型とは別物」